製紙メーカー APP > 環境・社会への取り組み(CSR) > CSRニュース > 地方教育プログラムでオランウータンの狩猟・殺害・捕獲の厳格な禁止を強調
2012年7月31日

オランウータン基金インターナショナルとアジア・パルプ・アンド・ペーパーがオランウータン教育イニシアチブを開始

インドネシア・ジャカルタ — (ビジネスワイヤ) — アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)は、当社の従業員、関連会社、パルプ材供給会社を対象に、オランウータンの保護に重点を置いた絶滅危惧種の保全に関する包括的な教育プログラムを今週から開始することを発表いたします。

このプログラムは、2011年11月に発表されたオランウータン基金インターナショナル(OFI)との2年間の“オランウータンの友達”パートナーシップに基づいています。“オランウータンの友達”パートナーシップは、野生で生まれた後に捕獲されたオランウータン40頭を自然の生息域に戻すことと、中部カリマンタンのパンカランブンにあるOFIの動物愛護センターで飼育されているオランウータン330頭が快適に暮らせるよう世話をするための支援を目的として発足しました。

教育プログラムは、オランウータンの自然の生息域やその周辺に暮らし働く人々に、この絶滅危惧種を保護するためのベストプラクティスについて教育するよう計画され、また絶滅危惧動物を傷つけることを一切容認しない(ゼロトレランス)というAPPの政策を強化するものでもあります。このプログラムの基本原則は、狩猟・殺害・捕獲の禁止です。APPのパルプ材供給会社に向けた教育は今週から始まり、まず研修生30名が中部カリマンタンのパンカランブンで集中的な6日間の教育コースを受講します。この30名が、今後9ヶ月間にさらに270名のスタッフを教育します。

このコースは、APPが東カリマンタンのパルプ材供給会社のスリヤ・フタニ・ジャヤ(SRH)とスマリンド・フタニ・ジャヤ(SHJ)と緊密に協力してクタイ国立公園に野生生物回廊を構築しているカリマンタン州で実施されます。この回廊は、東カリマンタンにあるいくつかの保全地域間でのオランウータンの移動を改善する重要なイニシアチブです。SRHとSHJのスタッフも、APPの担当者と共にOFIが実施する教育プログラムに参加します。

OFIは野生のオランウータンとその熱帯雨林内の生息域の保護に取り組んでいる非営利団体で、ビルーテ・メアリー・ガルディカス博士により1986年に設立されました。スマート社も関与するこのAPPとの協力関係は、政府、NGO、民間企業間の強力な連携の一例です。

OFI創立者のガルディカス博士は、「野生のオランウータンの保護は、インドネシアと世界にとって非常に重要です。森林や材木から利益を得ている林業部門は、特に責任ある行動をとる義務があります。我々は、パートナーであるスマート社とAPPによる支援に感謝しています。今週、我々のパートナーを対象とするOFIの教育プログラムを開始することは、インドネシアの森林で働く人々にオランウータンの保全と保護に関して教育する戦略の重要部分です。オランウータンだけでなく、その他の絶滅危惧種も対象とするこの種の取り組みが増えれば、さらに素晴らしいことです」と語りました。

2012年1月、APPはインドネシアに生息するいくつかの絶滅危惧種の保護の強化を目的とした一連の官民パートナーシップ原則を促進するために、インドネシア林業省との間で覚書(MOU)を締結しました。

APPの持続可能性・ステークホルダー担当役員のアイダ・グリーンベリーは次のように述べています。「このプログラムの実施は、インドネシア政府の保全活動を支援する当社のコミットメントをさらに証明するものです。絶滅危惧動物を保護するために、当社の従業員やパートナー、そしてより広範なコミュニティーに向けて、教育、研修、社会化への意識をさらに高める必要があります。これは、当社がパルプ材コンセッションとサプライチェーン全体で実施している持続可能な森林管理原則と不可分の要素です。」

「活動を前進させるためにはチームによる取り組みが必須です。そのため、我々は2010年以来、クタイ国立公園の野生生物回廊の強化に向けて供給会社と協力してきました。その過程で多くの課題に直面しましたが、そのことでOFIのような世界的リーダーとの今回の協力関係の中心にいることの意義が高まりました。協調的なアプローチは、オランウータンの保護のような重要な問題に対処する唯一の方法です。」

「さらに広い意味では、地域社会、学術界、NGO、政府のパートナーの皆さまとの強力な関与戦略を基に、生物多様性を保護しながら持続可能な原料を利用することは、当社の持続可能性ロードマップの重要な柱です。」


OFIについて:

OFIは野生のオランウータンと熱帯雨林の生息域の保全に取り組んでいる非営利団体です。ビルーテ・メアリー・ガルディカス博士とその同志により1986年に設立され、タンジュン・プティン国立公園内にあるオランウータンの調査地区キャンプ・リーキーを運営しています。またOFIは、パンカランブン付近のパシル・パニャン、ダヤク村にある、住むところを失ったオランウータン330頭が暮らしているオランウータン愛護センター及び検疫所(OCCQ)の施設を運営しています。さらに、ラマンダウ野生生物保護区の管理を支援していますが、ここでは、野性で生まれてその後捕獲されたオランウータンを訓練し、野生に戻しています。またこうした現地プログラムを通じ、OFIはこれらの施設で200人以上の地元のインドネシア人を雇用しています。さらなる情報がご入用の際はこちらをご覧下さい。

APPについて:

アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)は、インダ・キアット紙パルプ会社、ピンド・デリ紙パルプ会社、チウィ・キミア製紙会社、ロンター・パピルス紙パルプ会社、エカマス・フォルトゥナなど、インドネシアにある多くの工場で生産されている紙製品の総合ブランドです。インドネシアに本社を置くAPPは、120ヶ国以上の国々でその製品を販売しており、その生産設備の大部分はLEIとPEFCによるCoC(加工・流通過程)認証を取得しています。APPは、複数の主要な保護活動を支援しています。これには、スマトラ島のリアウ州にある17万8,000ヘクタールのギアム・シアク・ケチル-ブキット・バツ生物圏保護区、同じくリアウ州にある10万6,000ヘクタールのセネピス・トラ保護区が含まれます。ほかにAPPが参加する野生動物保護活動には、カリマンタンのクタイ・オランウータン・プログラム、ウジュン・クロン国立公園でのジャワサイ保護活動があります。
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