製紙メーカー APP > 環境・社会への取り組み(CSR) > CSRニュース > APPJ、世界最大の森林認証「PEFC認証」紙製品を日本市場向けに出荷開始
~APPの植林地がPEFC認証を取得、年内順次市場投入予定~

エイピーピー・ジャパン株式会社(本社:東京都 社長:木下真、以下APPJ)は、このほど、世界最大*1の森林認証システムである「PEFC認証」を取得した製品の日本市場への出荷を開始いたしました。これは、APPJの親会社であるアジア・パルプ・アンド・ペーパー(本社:インドネシア 会長:テグー・ガンダ・ウイジャヤ、以下APP)が、同社および同社の原材料供給会社がインドネシアと中国で管理している140万へクタール(東京都の面積の約6倍)に及ぶ植林地のPEFC認証取得が着実に進展し、安定供給の目途がついたことによるものです。現在、インドネシアでは、約43万ヘクタール、中国では約25万ヘクタール(2016年3月時点)がすでに取得済みとなっており、残りの植林地についても年内に順次認証される予定です。

APPジャパンの日本市場向けPEFC認証製品としては、大手事務用品通信販売企業のプライベートブランドとして、インドネシア製コピー用紙が2016年3月下旬より販売を開始しています。これに続き、自社ブランドのコピー用紙や産業用紙などについても、年内に順次販売を行っていく予定で、今後日本でもますます求められる「責任ある調達」に寄与していく所存です。

なぜ森林認証製品が必要なのか?

現在、世界中で毎年失われている森林の総面積は実に東京都面積の約23.8倍にあたる520万ヘクタール*2

森林が消失することは、温室効果ガス排出量の増加による気候変動、生物多様性の消失、水害、貧困の拡大など、様々な環境・社会問題がより深刻化していくことにつながります。このため、森林資源を活用する場合は、貴重な森林がこれ以上失われないように、適切に管理された持続可能な森林の資源を使用する必要があります。

人間は暮らしていくために木は必要です。しかしながら、適切に管理された森林資源のみからつくられた製品を活用すれば、これ以上の森林消失につながらなくなります。PEFC認証製品を使用することは、その製品の木材原料が、最高水準の環境・社会・倫理基準に準じ、持続可能になるよう管理された森林から供給されていることを保証します。

APPの森林保護の取り組み

情報用紙・印刷用紙・産業用紙・特殊紙・家庭紙など、あらゆる紙製品を製造・販売しているAPPは、インドネシアと中国で商業植林地140万ヘクタールを管理しています。APPの植林木は、研究開発により5~6年で約25メートル

の成木となり収穫され、その1~2ヶ月後には再度若木を植林しています。この「緑のサイクル」により、持続可能な木材原料の調達が可能となっているのです。森の恵みを使用させて頂いている企業として、事業と森林保護が持続可能に両立するビジネスモデルの構築を目指して、2013年に『森林保護方針』を発表し、「自然林伐採ゼロ」、「熱帯雨林の保護・再生」、「泥炭地管理」、「森林火災防止・管理」や「社会・地域コミュニティ支援」など、様々な取組みを推進しています。更に、2014年の国連気候変動サミットにおける「森林に関するニューヨーク宣言」への署名、2015年のCOP21への参加など、世界中のステークホルダーと共に貴重な森林を保護することを誓約しています。

以上

*1出典元:林野庁:世界の主な森林認証の概要
*2出典元:環境省 自然環境局「世界の森林を守るために」

<参考資料 PEFCについて>

■PEFC (Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemes)の概要

PEFCの組織について:

1999年に設立されたPEFCは、国際標準化機構ISO(認証)方式に沿って、独立した第三者認証を通じて持続可能な森林管理(SFMsustainable forest management)の推進に尽力している国際的な非営利および非政府組織です。林業における優れた慣行を促進し、森林の木材および非木材製品が最高水準の環境・社会・経済基準に準じて供給されていることを保証するため、森林のサプライチェーン全体を通じた取り組みを推進しています。

PEFCの目的:

PEFCは、「環境・森林を保護しつつ、同時に産業を繁栄させること」を目的に発足された世界最大の森林認証システムです。欧州森林保護閣僚会議(MCPFE)によって策定された、国際的な合意を受けた持続可能な森林管理の基準を基本としています。また、PEFCは国際認定フォーラム(IAF)のメンバーである各国の認定機関による認定を受けた認証機関による認証をベースとする、国際的に承認された基準、手順、規範(ISO方式)を踏襲しているため、第三者認定制度の基礎である規格制定・運営、認証機関、認定機関の独立性が厳格に守られています。

■PEFCの基準および認証状況

PEFCの認証基準:

PEFCは、「森林認証」と「加工・流通過程管理(CoC:Chain of Custody)認証」という完全に独立したプロセスで検証されています。「森林管理認証」は認証林がPEFCの持続可能性基準に沿って管理されていることを検証するのに対し、「CoC認証」は森林から最終製品まで認証材の足跡を辿ることで、最終製品に使用されている木材が実際にPEFC認証林につながっていること検証するものです。製品の認証資格を得るには、サプライチェーンを構成する全ての当事者がPEFC-CoC認証を取得していなければなりません。



PEFC認証状況について:

1999年の発足にも関わらず、現在5大陸の37の国家認証システムを承認しており、現在の認証面積2.68億ヘクタール(2015年6月現在)は、世界の認証林の2/3を占めています。また、約8,000もの企業がPEFC認証を取得し、数十万ものPEFC認証製品を世界中に供給しています。アジアでは2014年に中国、インドネシアとの相互承認が認められたほか、日本の森林認証システムであるSGEC(一般社団法人 緑の循環 認証会議)も2016年内のPEFCとの相互承認作業が進展しており、PEFCのアジアでの存在感は着実に高まってきています。

■PEFCの効果

環境面での貢献:

現在でも、毎年約520万ヘクタール(東京都の面積の約23.8倍)の森林が失われていますが、多数の森林認証を取得しているヨーロッパでは、森林地域が増加傾向にあります。持続可能な方法で管理された森林は、気候変動抑制、炭素排出抑制、貧困削減、水の管理問題、生物多様性の維持と強化といった環境/社会問題への対処に大きく寄与すると考えます。

ブランド価値の向上:

顧客や消費者は、生産者、供給会社、製造会社に対し、環境・経済・社会の最高基準を満たすことを期待しています。PEFCは、持続可能な方法で管理された木材の提供者であることを保証するため、PEFC認証を受けた原料は世界中の多くの公的及び民間の調達方針に受け入れられています。企業は製品にPEFCラベルを使用することで、市場で差別化することができ、原材料の「責任ある調達」を強調するマーケティングにも利用できるようになります。



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